ぼくは演劇が、舞台芸術が、映画、小説、マンガ、アニメ、音楽が好きだ。それらはぼくを楽しませてくれる。昨今のインターネットはとても便利で、それらについてたくさんの情報があふれている。でも「たくさん」過ぎて、ぼくにとって楽しめるものを見つけるのは困難に思えるのだ。
演劇、舞台芸術は特に好きだ。学生の頃は月に2〜3本程度の公演に足を運んでいたと思う。それがどうだろう。最近は月に1度も観劇へ行かないこともある。忙しいということもあるのかもしれないが、「どうしても観にいきたい」と思えば、なんとか時間を調整するし、当日券のために何時間だって並んで待っていられるだろう。
結局のところ「どうしても観にいきたい」公演が見つからないのだ。そして、見つける時間もないのだ。なぜって、演劇以外にも楽しませてくれるものは「たくさん」あるのだ。例えば今期の注目アニメとか、西島大介の新刊の発売日とか、気になる情報はたくさんあって、「それら」は演劇より情報があふれていて触れやすいから、演劇について情報を集めるのは後回しになってしまっていた。こうやってぼくは演劇へとたどり着かなくなっていた。
そんな状態でも、ぼくは対外的には「演劇が好き」ということになっているので、演劇をあまり観にいったことがない人に、おもしろそうな公演がないか聞かれてしまうわけだが、うまく答えられるわけがない。だって、ぼくにとっておもしろそうな公演さえ見つからないんだもの。
どうにかならないものかと、考えはじめたのはいつだったか。けっこう時間が経ってしまったので忘れてしまった。すこしずつ考えて…そして、一旦、至った結論としては、「それら = 映画、小説、マンガ、アニメ、音楽 etc…」と「演劇」をつなげてしまおうということだった。いろんなやりかたはあるけれど、ぼくが考えたのは以下のような方法だ。
「映画、小説、マンガ、アニメ、音楽 etc…」を「演劇」の目線で語る 「演劇」を「映画、小説、マンガ、アニメ、音楽 etc…」の目線で語る
「演劇」の目線で「マンガ」を語ることで、マンガ好きな人へ演劇が届く。逆に「マンガ」の目線で「演劇」を語ることで演劇好きにマンガが届く。これでいろいろ解決できてしまうではないか!
ぼくも演劇の情報へとたどり着きやすくなるし、演劇をあまり観たことがない人も演劇へたどり着く可能性が出てくるので、そもそもぼくに「おもしろそうな公演」を聞く必要が無くなる。さらに逆ルートで演劇好きがおもしろいマンガにたどり着くことだってあるだろう。もっと都合良く考えてを広げてみると、創作側にも良い影響があるんじゃないか。観客に「演劇好き」以外の目線が入ることで、創作側も創るものが変わってくるだろう。すると、また新しい、今までの演劇から拡張されたおもしろいものができるのではないか。すごく都合のいい考えだが、期待してしまう。
「演劇」と「〇〇」をつなげて、「おもしろい」が見つかるように、「演劇」が拡張するように。